医化学講座について

研究分野

  • 生化学・蛋白機能解析
  • エネルギー代謝イメージング
  • 生体内機能解析
  • ゲノム・エビゲノム

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医化学講座について

生命活動の解明の歴史と、タンパク質の構造

生命活動の解明の歴史

全ての生物は、宇宙の法則に忠実に従って生命活動を行っています。
エントロピーが増大し続ける宇宙の法則の中で、拡散するエントロピーの増大を抑制することにより、生物は秩序ある個体として形成されています。

生物がエネルギーを非常に効率よく利用するだけでなく、エントロピーの増大や分子のブラウン運動ですら意味のある生命活動に変えることができたのは、複雑な構造を持つタンパク質を合成できたからです。生命活動の解明の歴史はタンパク質の構造と機能解明の歴史ともいえます。

様々なタンパク質についての謎を解明する難しさ…

蛋白質についての謎

分子生物学の急速な発展に伴い、様々なタンパク質の基本構造、それらが互いに複雑に作用しあう生体内ネットワークが明らかになってきました。

と同時に、これまで解明されてきた事象に比べて、これから解明すべき事象が比較にならないほど多いことを、我々は21世紀になって新たに思い知らされました。

タンパク質が互いに作用し合う複雑な事象解明と疾患治療

事象解明と疾患治療

複雑につながりあう事象を解明していくことは大きな困難を伴いますが、一つ一つのタンパク質の機能はかならず生命活動全体に反映されるという生物学の特殊性が、今の時代において"分子探索"を行うことの意義につながると考えています。

このような考えから我々は、"分子レベルの生物学的現象をまず新たに発見する探索的研究"を優先し、それを独自の生理機能解析系につなげることで、小さな発見を大きな生命機能に結び付けることに成功してきました。
そして最終的には病態の理解や疾患治療につなげることを目標としています。

主に標的とする疾患は心不全や虚血性心疾患などの循環器疾患ですが、このような目的の達成には、循環器・心血管分野にとどまることなく、分野の垣根を越えた多くの研究者、研究機関との連携・協力が必須だと考えています。